BLOG

伝えたいこと
そのままに

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 行動変容
  4. なぜ人は行動できないのか

なぜ人は行動できないのか

「行動しなければ、何も変わらない」
こうした言葉を、これまで何度も聞いてきたと思います。

やるべきことは分かっている。
必要な情報も調べている。
それでも、なぜか動けない。

この状態が続くと、多くの人は
「自分の意思が弱いのではないか」
「怠けているだけなのではないか」
そう考えるようになります。

ただ、最初に一つ確認しておきたいことがあります。

行動できなかった理由を、性格や根性の問題にする必要はありません。

行動できない人の多くは、何も考えていないわけではありません。
むしろ、考えすぎるほど考えています。

どうすれば失敗しないか。
どうすれば周りに迷惑をかけないか。
どうすれば「ちゃんと」できるか。

その結果、準備は増えていくのに、行動だけが起きない。
この矛盾した状態に、長く苦しんできた人も多いはずです。

もし本当に怠けているだけなら、
ここまで悩むことはありません。

ここで前提を一つ置きます。

行動は、意思の力だけで起こるものではありません。

人の行動は、脳や神経系が
「今、動いても安全かどうか」を判断した結果として起きます。

この判断の多くは、意識に上がる前に行われます。
つまり、本人が「やろう」と考えるより前に、
すでに「止まる」「避ける」という選択が終わっている場合があります。

行動できない人の背景には、共通した経験が見られることがあります。

  • 動いた結果、強く否定された
  • 頑張ったのに、報われなかった
  • 正しくやろうとして、傷ついた

こうした経験が重なると、
脳は「行動=リスクが高いもの」と学習します。

その結果、行動しようとした瞬間に
不安、重さ、抵抗感といった反応が出ます。

これは意志の弱さではありません。
過去の経験から作られた、自然な反応です。

それにもかかわらず、私たちは
「考える前に行動しよう」
「とにかく続けることが大事だ」
といった言葉を繰り返し受け取ってきました。

この言葉自体が間違っているわけではありません。
ただ、すでに「行動=危険」と学習している状態の人にとっては、
逆に状況を悪化させることがあります。

行動できない理由が理解されないまま、
「できない自分」に原因があると思い込んでしまうからです。

ここで整理します。

行動できなかったのは、怠けや甘えではありません。
行動を「意思と努力の問題」だと考えてきた前提が、
その人の状態に合っていなかっただけです。

このズレが続くと、
行動しようとするたびに自分を責めるようになります。
そして、ますます動けなくなっていきます。

このシリーズでは、「どうすれば行動できるか」をいきなり扱いません。

まずは、

  • なぜ行動が止まるのか
  • どこで無理が起きているのか
  • どんな前提が合っていなかったのか

その構造を、順番に整理していきます。

次回は、
「なぜ『行動しろ』という正論が、人を追い詰めてしまうのか」
その理由を、脳の働きという視点から見ていきます。

関連記事