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行動できない理由の構造【1】

行動できないのは、意思の問題ではない

「やると決めればできる」
「気合が足りないだけだ」
「覚悟を決めろ」

行動できない状態が続くと、
こうした言葉を向けられることが増えます。

そして多くの場合、
それらの言葉は外から言われる前に、
自分の中で何度も繰り返されています。

ただ、ここで一つ事実として知っておいてほしいことがあります。

意思は、行動のスタート地点ではありません。

行動は
「やろうと決めたから起きる」
というよりも、
「動いても問題ないと判断された結果、起きる」
という性質を持っています。

この判断をしているのが、
脳と神経系です。

人の脳は、常に周囲の状況を評価しています。

  • 今は安全か
  • 失敗する可能性は高くないか
  • 過去に似た場面で嫌な経験をしていないか

こうした評価は、
ほとんど意識されないレベルで行われています。

その結果、
「今は動かない方がいい」
という判断が下されると、
行動は自然と止まります。

このとき本人の意識では、
「やらなきゃいけないのに動けない」
という感覚だけが残ります。

理由が分からないまま止まるため、
多くの人は
「意思が弱いからだ」
と結論づけてしまいます。

しかし実際には、
意思が弱いのではなく、
安全判断の結果としてブレーキがかかっているだけです。

行動できない人に多いのは、
脳が過剰に反応している状態です。

  • 失敗への警戒
  • 他人からの評価への恐れ
  • 「ちゃんとやらなければならない」という圧力

こうした要素が重なると、
脳は行動そのものを
「リスクの高いもの」として扱います。

すると、
行動しようとするたびに
不安や緊張、重さといった反応が出ます。

これは異常ではありません。
むしろ、学習の結果としては自然です。

ここで重要なのは、
意思はこの反応を止められないという点です。

どれだけ「やろう」と考えても、
どれだけ自分を叱咤しても、
脳が「危険」と判断している限り、
行動は起きにくくなります。

意思の力で無理に動こうとすると、
一時的に動けたとしても、
反動で強い疲労や回避が起きることがあります。

これが
「最初は頑張れるけど、続かない」
「一度動けなくなると、余計に動けなくなる」
といった状態につながります。

つまり、
行動できない問題を
「意思を強くすることで解決しようとする」こと自体が、
ズレている場合があります。

必要なのは、
意思を鍛えることではなく、
脳がどう判断しているかを理解することです。

このシリーズでは、
「もっと頑張る」「気合を入れる」
といった方向には進みません。

まず、
なぜブレーキがかかっているのか。
どんな条件で強く反応しているのか。

そこを整理することが、
行動を再び起こすための前提になります。

次回は、
「行動しようとすると苦しくなる理由」について扱います。

やろうとした瞬間に出てくる
重さや不安、逃げたくなる感覚。
それがどこから来ているのかを、
もう一段深く見ていきます。

ここまで読んで、
「自分の問題は意思の弱さではなかったのかもしれない」
そう感じたなら、
この回の役割は果たしています。

行動を変える前に、
まず判断の仕組みを理解する。

その続きに進みます。

河野牧人

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